指関節のこわばり
「先生、最近指が曲がりにくいんです。関節リウマチではありませんか?」。中年の女性が心配そうに来院しました。指の関節が曲げにくくゴワゴワした様子を「こわばり」と言います。こわばりを来す疾患は、いろいろあります。
指先から1番目にある関節(DIP関節)で多いものには、ヘバーデン結節があります。中年以降の女性に多い変形性関節炎です。また頻度は少ないですが、乾癬という皮膚病に伴う関節炎も考慮する必要があります。指先から2番目の関節(PIP関節)ではブシャール結節という変形性関節症があります。
関節リウマチは、主にPIP関節や握り拳の関節(MP関節)にこわばりが出現します。起床時に症状が強い「朝のこわばり」が特徴です。その他、指が曲げにくく曲げたら伸びなくなってしまうバネ指、手のひらに索状のしこりが出来るデュピュイトラン拘縮などがあります。
さて、先ほどの女性はDIP関節のこわばりでした。どうやら関節リウマチではなさそうですね。
(平成27年12月13日 北國新聞朝刊掲載)