朝方、手が痺れませんか
「先生、手が痺れます。」と言ってクリニックを受診される方は珍しくありません。特に夜中～明け方に痺れが出現するあなた！それは「手根管症候群」かも知れません。
症状が出ている部位に繋がる経路であれば脳、脊髄、末梢神経などさまざまな場所が痺れの原因になる可能性があります。神経の走行は川の流れのように本流から支流に枝分かれし、決まった河口に到達します。犀川が富山湾に到達しません。従って、痺れの範囲や筋力を手掛かりにどこが原因かを推察します。
「手根管症候群」では、親指から人差し指、中指、薬指の親指側の半分が痺れます。最初は朝方に症状が強く、手を振ることで軽快しますが、そのうち日中にも出現するようになります。
治療は手首の固定や、内服、注射、理学療法、手術などがあります。長い間放置すると親指の付け根の筋肉が痩せてしまい、物をつまむ力が弱くなってしまうこともあります。気になる方は早めに医療機関を受診するようにしましょう。
（平成27年05月17日 北國新聞朝刊掲載）