眠り妨げる筋肉の収縮
こむら返り
ふくらはぎの筋肉が突然けいれんを起こす「こむら返り」。普通は運動中や運動後起きるが、睡眠中にも見られることが多い。
姿勢が関係
いしぐろクリニック(金沢市)の清水明副院長(整形外科)は「こむら返りは体内の水分やミネラルなどの栄養素の不足、からだの冷えなどによって起きます」と指摘する。
眠っている時、膝が伸びてつま先も伸びた状態になることがある。この姿勢は、ふくらはぎの筋肉である下腿三頭筋が過剰に収縮しやすい状態にあるのだという。
そこに何らかの原因で、運動神経の誤作動が起きると、この下腿三頭筋が異常な強さで縮んで、痛みを引き起こすのである。
こむら返りの対処法としては、膝を伸ばした状態を保ちながら、つま先をゆっくりと自分のほうに引き寄せるようにするとよい。縮んだ筋肉をほぐすことで痛みも緩和されていく。
膝を曲げた状態でつま先を引き寄せても効果はなく、膝を伸ばして行うことがポイントだ。
この動作を就寝前に行うと、こむら返りを予防するストレッチにもなる。ほかに、膝の下に足枕などを置いて膝を曲げた状態で眠ることも有効だ。
薬も有効
さらに清水副院長が「特効薬」として薦めるのは、整形外科でこむら返りに悩む患者に処方される漢方薬の「芍薬甘草湯(しゃくやくかんそうとう)」である。筋肉を暖める効果があるとされ、眠りに就く前に服用するとよいという。
睡眠中にこむら返りが起こると、突然の足の痛さに一瞬で目が覚めてしまう。それだけに清水副院長は、「安眠を確保するためにも、日頃から予防に気を配った方がいいでしょう」と話す。
また、睡眠中のこむら返りは、背中の中を通る神経が圧迫される「腰部脊柱管狭窄症」やヘルニアを患う人に多いとされる。肝臓や腎臓の疾患、糖尿病の症状としても考えられるので、頻繁に起きるようであれば、医療機関に相談してほしい。
(北國新聞 丈夫がいいね 6月22日掲載)